Yの悲喜劇

Yの悲喜劇

腐女子/商業BL/読書/漫画/アニメ

【BL漫画】こいものがたり(田倉トヲル) 長文感想

 めちゃくちゃいいBLに出会った。

同じクラスというだけで接点のなかった吉永大和がゲイだという秘密を偶然聞いてしまった長谷川唯司。やがて、大和の視線が誰に向けられているのか、その報われない恋に気づく。勉強会をきっかけに大和が“いい奴”だと知った唯司は、複雑で不器用で、それでも一生懸命な大和の幸せを願うが……!? 電子限定おまけを収録!

 全3巻完結予定で、2巻まで刊行されている。2巻終わりまでだと大和が唯司への想いを自覚するところまでで終わっていて、BL要素はあんまり強くないかもしれない。

 同級生・ゲイであることに悩む男の子が中心の青春群像劇で、LGBTのGに特化した「青のフラッグ」*1ぽいというと伝わる人には伝わるかもしれない。

 

  以下、長文感想です。相も変わらずネタバレあります。

 

*1:KAITO著。全8巻。ジャンプ+コミックス

続きを読む

【小説・BL漫画】2020/5月読了 良かった作品

 4月に続いて。

 

<過去記事>

m8a0y1u.hatenablog.com

 

  • ○小説
  • ☆その他書籍
    • ①瓦礫から本を生む
  • ○BL漫画
    • ①アイ・ドント・クライ(イシノアヤ)
    • ②エロ漫画家とアシくん(博士)
    • ③童貞やくざとデリヘルくん(藤峰式)
    • ④おかえりオーレオール(高津)
    • ⑤善次くんお借りします(玉川しぇんな)
    • ⑥サヨナラに編むは、(梅松町江)

 

 

(ネタバレありますよ)

 

続きを読む

【BL漫画】「IN THESE WORDS」4巻→1巻と読んでめちゃくちゃ篠原に萌えた話をしたい

 「IN THESE WORDS」の最新刊が発売された。

  発売間隔が長いことを除けば大変面白いサスペンスBL漫画で、新刊が発売されてとてもうれしい。

 話の時系列的には2巻後半→3巻→4巻→1巻→2巻前半と展開していて、この4巻でようやく1巻で起きた精神科医浅野克哉vs殺人鬼篠原の真相が分かる。

 4巻を読み終えて、即1巻を読み返した。めちゃくちゃ萌えた。

 1巻を読んだ当時はとても面白い漫画に出会えたくらいにしか思っていなかったけど、真相を踏まえて改めて読む1巻は全てが萌えに満ちている。

 

 どこにどう萌えたのか語りたいので以下長文でつらつら吐き出しています。全編ネタバレ注意。

 

続きを読む

【BL雑談】商業BLの「当て馬」について考える

 あんまり人に言っても共感されない性癖の一つをばらすと、当て馬萌え属性がある。

 C→A×Bの当て馬Cもいいし、A×B←Dの当て馬Dもいい。もちろんA×Bの2人でじっくり紡がれる恋愛もいいけれど、A×Bに横恋慕するCがいると物語の幅が広がっていい。

 

 ただ、当て馬ならなんでもおいしく食べられるわけじゃなく、この当て馬はダメだとか、ちょっと可哀想すぎて萌えられないことも多々あることに最近気が付いた(それまでは当て馬なら性格がクソな野郎以外は大体いけると思っていた)

 

 せっかくブログを始めたので、自分の萌えを掘り下げる記事を書いてみる。こういうことがやりたかったのもブログを始めた動機の一つなので。

 

(長文で語ってます。9.5割は私の決めつけ・妄想です。

今回は好きな話だけじゃなくダメだった本についてとかブラックなこと・毒も吐いてるので、苦手な人はここでブラウザバックをお願いします)

 

続きを読む

【BL漫画】サヨナラに編むは、(梅松町江) 長文感想

  少し前に電子書籍幻冬舎コミックス半額キャンペーンがあった。そこで購入して当たりだった作品。

大手外資系企業に勤める柊真・ホーキンスは英日ハーフのエリート男子。しばらく彼氏ができないのは「自分が無趣味なせい」だと思い、一念発起して編み物教室に通うことになった。元々英国人の祖父の影響から多少の興味はあったものの、なぜ編み物を選んだのかというと、一番の決め手は講師・糸瀬の容姿が好みという単純な理由からだった。教室に通ううち、年上なのにかわいらしい性格の糸瀬に、どんどん惹かれていく柊真。しかし糸瀬は亡き妻との想い出にかたくなに囚われていて…。 

 表紙の雰囲気よろしく、しみじみといい作品だった。

 編み物・前パートナーの死別・祖父を通しての過去の理解……と、派手な要素は一つもないけど、滋味さが心地いい読書だった。

 

 以下、ネタバレ込みで感想をつらつら語っています。

 

続きを読む

【BL漫画】チョコストロベリーバニラ(彩景でりこ) 長文感想

 商業BL漫画は本質的には萌え漫画だと思っているので、自分の中の評価基準の基本は「萌える」「萌えない」なのですが、「自分の萌えでは全くないけれどあまりにも完成度の高い作品」に出会うこともしばしばあります。

 「チョコストロベリーバニラ」は私の中で「自分の萌えツボではない事を除けば抜きんでて完璧な作品」です。

幼なじみのタケと“物”でも“人間”でも“好きなモノ”は何でも共有してきた拾(ひろい)。その拾の好意にずっと応えてきたタケ。拾に恋焦がれるあまりに、そんな二人を受け入れたミネ。絶妙なバランスで成り立っていた同級生三人の関係が、それぞれの想いの微妙な変化により、少しずつ崩れ始めていく――!?麗人誌上で大好評を博した甘美なトライアングルラブシリーズ6話+描き下ろし番外編を完全収録した著者初の麗人コミックス!!

 三角関係に始まって三角関係に終わる3Pモノ。広義の意味では3人婚・ポリアモリーだと思う。

 初読時の感想を見返したら「三角関係萌えとしては三者とも現状の関係に納得されると自分の萌えからずれる」と言っててちょっと笑った。昔の私ぶれてない。

 「自分の萌えツボを理解するのに最適な一冊」だと思って今回読み返した。

 改めて読んで思った。この作品は凄い。

 当たり前のモラルを取っ払った上に、この三人でしか築けない秩序が敷かれていて、しかもその秩序が最終的には色を変える。

 

 以下、長文感想です。ネタバレあり。

 

続きを読む

【小説・BL漫画】2020/4月読了 良かった作品

 定期的にブログを更新するべく、1か月で読んだ小説やBL漫画などの中から、特によかった作品をぽつぽつ書いていきます。

 あくまで「2020年4月に読んだ作品」なので、「2020年4月に刊行された作品」ではありません。

 来月もやるかはわかりません。

 

  • ○小説
    • 1.御社のチャラ男(絲山秋子
    •  2.魔眼の匣の殺人(今村昌弘)
    • 3.てらさふ(朝倉かすみ
    • 4.火のないところに煙は(芦沢央)
    • 5.ドルリー・レーン4部作(エラリィ・クイーン)
    • 6.欺瞞の殺意(深木章子)
  • ●BL漫画
    • 1.狼への嫁入り~異種婚姻譚~(犬居葉菜)
    • 2.不死身の命日(虫歯)
    • 3.もらってください(新井煮干し子)
    • 4.ボクはH(吉田ゆうこ)
    • 5.8月のロスタイム(桃子すいか)

 

(ネタバレを含みますよ)

 

続きを読む